ニュージーランドのがん治療問題に明るい兆し

心配事

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このブログで6月終わりに、ニュージーランド南島インバーカーギルに住む、まだ38歳の一家の大黒柱が末期の大腸がんと宣告され、彼自身や家族の苦悩と、家族が起こした行動をお話しました。

過去記事↓↓

ニュージーランドのがん治療迅速化へ訴え

ニュージーランドの公共医療では、彼の言い渡された余命8週間が尽きるまでに、地元のがん専門医の治療予約さえ取れないという、医療の機能不全が明るみになり、唖然とした方も少なくなかったはず。

その後、彼ら家族の活動を通して、国立がんエージェンシー設立の嘆願書が、膨大な数の署名とともに国会へ提出されました。

また、彼の次女がジャシンダ・アーダーン首相に宛てた、死に行く父親への思いを書き綴った手紙が、インターネット上に公開されたりと世論の関心を大いに集め、今後の政府の対応が注目されていました。

そして今日、日曜日ではあるんですが、ようやく南太平洋の果てのニュージーランド領トケラウ外遊から戻ってきたジャシンダ首相が登場し、がん治療問題の抜本改革を発表しました。

詳しいニュースはこちら↓↓

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ニュージーランド国内に山積み問題を残して外遊中、野党の党首サイモン・ブリッジスから、「part-time prime minister!」なんて呼ばれてしまったジャシンダ首相 🙁

一応、戦術の駒は隠してお出かけになっていたんですね!?

パートタイム首相呼ばわりにまつわるニュースはこちら↓↓

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がん治療問題の抜本改革の詳細

今日、ジャシンダ・アーダーン首相がウェリントンの公立病院内で発表したのが、数十億もの国家予算を投じ、下記を実現させるることで医療の地域格差を是正し、ニュージーランド全体のがん患者生存率を底上げしようというもの。

 

  1. この先3年間で、あらゆるがん治療に利用可能な放射線治療機器(LINAC)12台を購入し、ニュージーランド国内に現存する、がん放射線治療機器の半数を最新のものに買い替えると共に、新たにノースランド、ホークスベイ、タラナキの3地方の地域保健医療機関にLINACを設置。
  2. このうち最初の5台は、25億NZドルをつぎ込んで今年中に購入し、オークランド、カンタベリー、キャピタル&コーストに各1台、パーマストンノースに2台を配備し稼働を目指す。
  3. 来年はさらに4台、再来年には3台のLINAC購入を目指し、各地方の保険医療機関に行きわたらす。

どんながん患者にメリットが?

現在、最も不利な立場に置かれているのが、北島のノースランド、ホークスベイ、そしてタラナキに住むがん患者たち。

彼らは、地元の公立病院で最新の放射線治療が受けられず、家族のもとを離れてオークランドやパーマストンノースで治療を受けるか、あるいは放射線治療をあきらめ、抗がん剤・外科的切除に踏み切らざるを得ない状況です。

もし、上述のがん治療問題の抜本改革が実現すれば、こうしたがん患者は、有益な放射線治療の選択肢を迷わず選ぶことが出来るようになるわけです。

 

現状の医療現場は火の車

ニュージーランドのがん患者数は、人口増加と高齢化社会に伴いますます増える一方で、現場医療は需要に追い付いていません。

そのため、冒頭のインバーカーギルの男性のような悲劇を、人生最大の危機で味わうがん患者が少なくないのです 😥

私の行きつけのレストランの店長も、腹部の違和感と痛みが続くのに、3ヶ月経っても検査ばかりで治療が進まないまま。

どんどん自覚症状はひどくなり、自身でも身に起こっていることに不安を抱き、手遅れになる前にとつい最近、いろいろ調べて南米キューバへ医療を受けに出かけました。

こんなこと、自分の家族や大切な人には絶対に起きてほしくないですよね...

一昨年、首都ウェリントンにある私立病院に、ニュージーランド初のプライベートのがん放射線治療施設ができ、前ニュージーランド首相ビル・イングリッシュや前保健省大臣ジョナサン・コールマンが除幕式にお目見え!なんてニュースになっていましたけど。

ハッキリ言って、国がやらない・できないことを売りにして、切羽詰まった患者からプライベート医療で金儲けってことですよね!?

医療保険に入っている人なんて、この国ではお金に余裕のある一部の人にすぎませんし...

後の祭りですが、除幕式に訪れていたジョナサン・コールマン氏、翌年3月には大臣を辞めて、4月からその私立病院のCEOに就任しちゃったんですよ!

彼は医師でもありますからね。

それにしても、裏で熱いラブコールがあったのは明らか...

当時の詳しいニュース記事はこちら↓↓

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オッと、少々グチが多くなってしまいましたね。

では、こんやはこのへんで。

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