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7月になり、ニュージーランドの新会計年度が始まりましたが、やはり財政難は社会の弱者を面倒見きれず、そんな人々を特に冬場に襲うものなんですよね。
寒さを凌ぐための光熱費が払えなかったり、そもそも粗末な作りの家に住まざるを得ず、健康状態を崩す人々がニュージーランドにもたくさんいます。
そんなところに、朗報が入って来ました。
以前、このブログでもご紹介した、リサイクルショップで知られているサルベーション・アーミーが、オークランドで医療機関に行きたくても金銭問題で行けない人々のために、無料GP(General Practice:家庭医/プライマリ・ケア)のトライアルを明日から開始するそうです。
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敷居がますます高くなるGP
様々な医療問題が取り上げられているニュージーランド。
がん治療開始の遅延といった深刻な問題から、年々高額となるGP費用、ショックを受けること間違いなしの歯科治療費などなど...
普通に働いている大人でも、7人に1人はGP費用が生活を圧迫するため、『具合が悪くても医者に行かずに済ます』という調査結果があるそうです。
実際、GPにかかるためには交通費も必要と考えると、一度のたった15分程度の医師の診察に、50ドルほど持っていかれてしまうのは、正直痛手ですからね。
13歳までの子供は、原則無料で治療が受けられるとは言っても、やはり低所得家庭にとっては、子供を医者に連れて行く交通費の捻出に困るケースもあり得るわけです。
低所得者には、国からコミュニティサービス・カードが発行され、医療費割引を受けられるケースも有りますが、審査も厳しく医療費はタダになるわけではありません。
つまりニュージーランド国籍・永住者と一定条件を満たすビザ保持者は、極端な話、我慢して悪化させて、救急医療を公立病院で受ければ、費用はほぼゼロ。
これでは、本末転倒で、医療財政はますます圧迫されます。
無料GPトライアルの概要
一筋の光とも言える、今回の無料GPトライアル。
実施するのは、リサイクルショップで市民にもよく知られている、サルベーション・アーミーのウインターキャンペーンの一環です。
オークランドの郊外ワイタケレには、社会的弱者が比較的多く暮らしているため、サルベーション・アーミーがそうした人々の相談場所として機能しているわけです。
そこに寄せられる相談には、健康状態に関わるものも少なくなく、今回のトライアル実施を決めたそうです。
もちろん、今回の活動はサルベーション・アーミーの持ち出しとなるため、寄付を募るキャンペーンも近々行われます。
無料のGPで医療が受けられると言っても、最貧者に重点を置くため、もちろん優先順位をつけなくてはならず、7月いっぱい週1日、12名を目処としての期間限定です。
救われる人数は、さほど多くはなりませんが、トライアルから得られる実態調査も含め、今後の支援活動に役立つことは多いとされています。
サルベーション・アーミーとは?
サルベーション・アーミーとは、日本語で『救世軍』ですが、クリスチャンが少ない日本では、馴染みが薄いですよね。
本部はロンドンにあり、キリスト教の信念に基づき、奉仕活動を含む様々な事業を組織的に行っています。
日本にも、小さな支部が各地にあるようですよ。
毎年クリスマス時期になると、フードバンク活動で寄付を募り、貧しい人々に食料を届ける支援をしています。
いわば、政府の援助が届いていない所で、大きな役割を果たしてくれています。
普段は、たくさんの持ち込まれた寄付品をチャリティショップで売って、儲かっているんだろうなんて、世知辛いうわさをたてられることもあるサルベーション・アーミー。
でも、こうした真の慈善活動が人々の目に止まる機会がもっと増えれば、そんな声も吹き飛ぶはずですよね。
だって、国が助けてくれない事をやろうとしてくれるんですから〜
こうしたニュージーランド国内の活動を見ると、「イギリス連邦の一員なんだなぁ」と感じますね。
では、また明日!
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