Kia Ora! 今日もお越し頂きありがとうございます。
ワールドカップ・ラグビーの賑わいで忙しい日本の皆さん、そしてニュージーランドを含む外国に滞在中の皆さん。
日本代表の活躍ぶりには、大いに驚きつつも、日本人として誇りを持てる瞬間が多くて、嬉しいイベントになっているのでは??
さて、誇りといえば、やはり自分のルーツであったり、アイデンティティーといったものが挙げられると思います。
ここニュージーランドでは、先住民族マオリの人々が、今の時代も彼らの祖先から受け継いだ伝統を守りながら暮らしているんですよ。
そんなマオリの人々にとって、今日10月8日は、特別な想いを抱く1日なんです。
その訳は...
250年前の今日、キャプテン・クックが南洋探検の過程で、帆船エンデバー号でアオテアロア、つまり後の英語名ニュージーランドに到着した日だからなんです。
今日は、その記念イベントにまつわるお話です。
記念イベント Tuia 250
キャプテン・クックの到着地となった、北島北東部ギズボーンの海岸線一体では、先週末から『Tuia 250』と名付けられた、250周年記念イベントが開催されています。
輝く青い海が広がるギズボーンの海岸には、大昔に先住民マオリの先祖が、大海を渡って辿り着いた様子を語り継ぐかのように、タヒチ、トンガ、ハワイの各方面から数ヶ月かけて航海してきた、Waka(ワカ)と呼ばれる伝統の木船の到着で始まりました。
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帆船エンデバー号レプリカも上陸
そして今日、夜明けとともに帆船エンデバー号レプリカもギズボーンに到着しました。
そう、まさに250年前のキャプテン・クック上陸の模様を再現したイベントですね。
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マオリとヨーロピアンの軋轢も
ただ、今日のイベントを喜んでいるのは、大半がパケハ(ヨーロッパ系移民)の人々。
マオリの人々にとっては、この日の出来事以来、イギリス植民地支配に翻弄され、多くの戦いを経て現代に至っています。
そして、忘れてはならないのが、キャプテン・クック率いる、マオリからすれば侵略者によって、9名ものマオリの命が失われた事実です。
この件については、先週正式に、イギリス側からの謝罪がなされたとのことです。
キャプテン・クック上陸100週年には、ギズボーンの海沿いに銅像も出来ています。
確かにヨーロッパ系移民の人々にとっては、記念すべき地なのでしょう。
一方、マオリの人々にとっては、何とも複雑な土地なわけですね。
なお、ギズボーンはギャングスター(ヤクザ)がいる土地としても有名で、筋金入りのマオリのグループがブラックマーケットを牛耳っているとか...😱
マオリにとって最も暗い歴史
このことからも、キャプテン・クックの上陸は、マオリの人々にとっては『ニュージーランドの最も暗い歴史』として刷り込まれています。
通常、今回のような公式イベントでは、ニュージーランドマオリ流の挨あいさつ・おもてなしである『ポウフィリ』という行事が営まれるのが普通です。
しかしながら、今日のエンデバー号レプリカの上陸に際しては、地元iwi(イウィ:マオリ部族)から断りがあったため、行われませんでした。
プロテストも数多く見受けられ、手放しに喜べるイベントとはならなかったようです。
今回のイベントの趣旨は、これから世代を担う若者たちに、ニュージーランドの歴史を学んでもらう教育を主としています。
人種にかかわらず、マオリ、非マオリの両側面から、事実を正確に未来に伝えていける大人になって欲しいものですよね。
では、今日はこのへんで。
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